壱 -高校二年生はお忙しい-

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ふむ、因縁とかは無いのか。 確かにあれは因縁つけてる感じだったしな。因縁つけてどーすんだよ。 「それよりも、あんたはあのいけすかない女のなんなの?」 「俺から言わせりゃ出会い頭にいけすかないとか言い出すお前の方がなんなのか聞きたいくらいだよ」 「お前じゃない!私の名前は梓紗!」 「知ってるわい」 「むー!」 こうやって見る分には、ただの女子だな。中学生とか言いそうになったけど、言ってないからセーフだ。 直後、後ろからアームロックが。 「ぐぼすっ!?」 「てめー翼ー!ちゃっかり佐倉ちゃんと仲良くなってんじゃねーよ!」 「そうよ!清水さんとも知り合ってたし!一人ベッドまで呼んでよ!」 「気になったこと聞いただけだっつの!あとベッドって何だよ!?」 俺達が意味不明な口論をする間、佐倉は呆気に取られつつも、それでもなぜかその場に残り続けていた。 しかし、少しすると、 「梓紗ー!遅いわよ!いい加減おいてくわよー!」 という、少し強気な声が響いた。
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