壱 -高校二年生はお忙しい-

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俺たちの日課といえば、ゲーセンだ。 朝でも語り合ったように、本当にそれしか取り柄がない。隼は一応「侍」として頑張ればそれが取り柄になるしな………。羨ましいぜ。 「それはさておき、お前今回は何狙うんだ?」 「イエローバースト三曲目のアナザー解禁に、ブルーアステロイドの五曲目のエキスパート譜面のフルコンボかな」 ブルーアステロイドとは、ビートマスターズのイベントの一つだ。五曲目は曲の速度変化が激しいことで有名で、フルコンボ難易度はとても高いとされる。らしい。 「はぁー………そこまでやれるお前が羨ましいわ」 「やれてないけどな」 俺と隼は正直こんな話しかしない。故に、琴吹がちんぷんかんぷんな顔をする。 「あんたたちあれのどこが面白いの?」 「わかる奴にはわかるんだよ」 「逆にわからん奴にはタダのキチトークだけどな」 「まさに後者だわ」 「ですよねー」 「知ってた」 そうこう言っている間にゲーセンについた。
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