壱 -高校二年生はお忙しい-

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さて、サンブスを遊んだあとで、今度はビートマスターズの筐体に並ぶ。 「…なぁ佐原、あれ、梓紗ちゃんじゃね?」 「あ?」 言われてその場を見ると、なんだ佐倉だ。 「本当だな」 「反応薄いな!女子音ゲーマーだぞ!?」 「お前のツッコミそっち!?」 『勇者も音ゲーするんだな』とかそういう返答くると期待してたのに。 「でも、しょせん六段だな」 「お前容赦ねぇな………」 「お前だって八段だから思うだろ?レベル10のブルーゲージとかヌルゲー乙とかさ」 「思ってねぇよお前他人を愚弄しすぎだろ!」 因みにブルーゲージというのは通常ゲージよりも回復力が高く、ゲージ減少も少ない、実力に自信がない人がつけるゲージだ。 「隣の台には例のお姉さんがいるわけだが……お、十段だ」 「お前とウマが合いそうだな」 「かもな。それだけだろうが」 「あー…音ゲー以外じゃダメなパターンとか?」 「そうだな。バターとマーガリンみたいな」 「わっかりずれぇ例え!乳製品で脂の塊なのは同じだけど動物か植物かで違うみたいな区分けの仕方!」 「丁寧にそこまで言うお前のツッコミの姿勢、俺は好きだぞ」 「ありがとよ」 俺と隼は拳骨を交えた。
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