9人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の名前は「佐原翼(さはらつばさ)」。どこにでもいる、なんの特徴もない、「一般人」だ。
そして、今日は目出度く進級。高校二年生になる。そんな俺は、なぜか今走っている。遅刻ではない。…いや、遅刻と言えば遅刻かもしれないが、学校に、ではない。友達との約束に、だ。
「たっくよ、どうせ学校で会うのになんであいつの家に行く必要あるんだよバカじゃねーの!?」
叫びながらも走る。地味に足に自信を持つ俺は、実際平均的な能力だ。つまり、自信を持ってるだけで実際速くない。
けどさ、あるじゃん?じゃん?「その気になればそうなる」ってさ。意味わからんが。
そう思いながら走る。次の交差点を左に曲がってその後三つ目の交差点を右に曲がればあいつの家だ!
俺は思い切り足を捻りながら曲がる。…無理しない程度で。
すると、人影がみ
どーん!
見えた、という前にぶつかる。ま、全力疾走してたからな………。
「いっつ………」
「いたたたた………」
「すいません、怪我はないですか?」
「いえ……大丈夫です……」
俺はぶつかった人物を見る。濃い茶髪を結った、同じ学校の同学年の女子生徒だ。なぜわかるか?制服がそうだし、学年を区別するための赤い腰ベルトがついてる。
我が学校は、なぜか学年の区別のために赤、青、緑の腰ベルトをつけさせる。つかなんで腰ベルトなんだよほんと、意味わからん。
最初のコメントを投稿しよう!