壱 -高校二年生はお忙しい-

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……ちなみに、パンチラは無かった。とてもどうでもいいなこれ。 いや、言ったからには俺だって期待したさ。だって、入学or進級日だぜ?曲がり角だぜ?相手女子生徒だぜ?マンガとかラノベとか、古代より伝わる伝統と言っても過言じゃないシチュエーションだろ?なんでパンチラないんだよ。 ……と、まぁ。そんなのどうでも良いんだよ。俺の都合で世の中動くわけねーんだよ。でも言わせてくれ。チクショー! ………とか考えてる内にどうやら女子生徒は行ったようだ。本当にテンプレとか一切無かったな。 けど、予想ではこの後教室に入ると転入生とかでやって来て……とか、淡い期待でもしよう。あまりにも淡すぎて白と違わないだろう。 …おっと、そんなことより約束だ。 はいいっそげ、いっそげ。 先にいうが、約束の相手は女じゃない。腐れ縁、というか、悪友の男だ。 名前は「釧灘隼(くしなだはやて)」。俺と同じ高校二年生の「侍」だ。 ……ん?侍がどういう意味か? いや、文字通りだ。こいつは「侍」なんだよ。刀を持ち、魔物を倒す。そんな奴。 そういう力を持つ人間は、「能力者」と呼ばれ、世を脅かす魔物と戦っている。 学生であろうとそれはお構いなし。死ぬかもしれない戦いを強いられる。 ……ま、本業は勉強することだから、大人と違って戦いは強制されていないらしい。近くに魔物が存在し、自分が関わった時、倒せ。とか。 けど、これ魔物が可哀想なんだよな。いるだけで虐げられるんだから。
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