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「そうだよ。だから警察も調べなかったの。他の子供達はみんな遊戯室にいたし、裏庭にいたものは誰もいない。お兄ちゃんは私に気付くとこう言ったの。『誰にも言わないで。これはおまじないなんだ。礼美ちゃんの心臓、僕がもらうためのおまじないなんだよ』って」
「鈴木一郎が……礼美ちゃんを殺したのか」
「やだ、他人事みたい。鈴木君にも誰にも言わなかったけど、本当はお兄ちゃんが殺ったんだよ」
「嘘……だろ」
「嘘じゃないわ。私、施設で掘り返して見たの。礼美ちゃんはもう骨になってた。だから安心して。もう全部骨になってたの。犬や猫と同じ、誰も礼美ちゃんだなんて気づかないよ」
嘘だー……
嘘だ、嘘だ、嘘だ……。
あの穏やかな鈴木一郎が、野村礼美ちゃんを殺した犯人だなんて……!?
小夏はそれを知り、しかも鈴木一郎を助けるために、俺に罠を仕掛けた!?
俺が彼に喰われてしまったのか……。
いや、違う。
俺が彼を支配しているんだ。
俺が彼の体を操り、心を操り、この身も鈴木一郎の金も、小夏も全部意のままに操る。
「……小夏、よくやった。お前は俺の妻だ」
「お兄ちゃん……」
小夏の唇を貪るようにキスを交わし、その場に押し倒し体を奪う。
俺は小夏も金も手に入れたんだ。
俺の心臓が意思を持ち、鈴木一郎の人格をも支配する。
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