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(………そう言えば……お母さん、臥せがちやって言ってたっけ……)
だから母の好きな花を部屋に飾って少しでも元気になってほしいのだと……陸はそう言っていた。
(……うわぁ。そんな理由があったんや…。それやのに私、無職扱いしてめちゃ失礼なこと言ってしもた……)
だがそんな千波の失礼発言にも、陸は怒らず笑っていたが……。
「お母さん思いの優しい子やよねぇ…。初枝さんが言うにはシュッとした男前らしいよ」
突然町内の祖母の友人の名前が出てきたので、千波は首を傾げた。
「………なんで初枝さんが?」
「だってあの人、五十嵐家のお手伝いさんやってるやん」
「……………あっ!」
千波は思わず大声を出してしまい、慌てて口を押さえた。
(……そう言えばそうやった……)
あまりの偶然に、千波は呆然とする。
「そ…それで、初枝さんって、五十嵐家のお手伝いしてて長いんやっけ」
「………確かもう20年以上は続いてたんちゃうかなぁ」
「………そっか。そんなに続くってことは、働きやすい環境ってことやんな?」
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