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昨日の今日ですぐに返事を貰えると思っていなかったのか、陸は一瞬ポカンとしていたが。
すぐに笑顔になって頷いた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
穏やかな陸の返事に、千波はホッとして顔を上げた。
(よかった…。仕事決まった……これでおばあちゃんにも報告できる……)
おそらくものすごく驚くだろうが、五十嵐家のお手伝いなら祖母もきっと安心するだろう。
「………それじゃあ、早速仕事のこと説明しましょうか。今日は履歴書…とかは持ってきてないですよね」
「いえ、持ってきました」
「あ、本当ですか。ちょっと拝見していいですか」
「…………はい」
千波はバッグから封筒に入れた履歴書を陸に差し出した。
陸は丁寧にそれを受け取りながら、少し首を傾げて微笑んだ。
「従業員の勤務の管理などは僕がさせてもらっていますので、何かわからないことがあったら僕に聞いてください」
「あ、そうなんですか」
驚いた千波は陸の顔を見つめる。
「ええ。でも今はそんなことぐらいしかしてないので、無職と思われても仕方がないですね」
少しいたずらっぽく笑って言った陸の言葉に、千波はギクッと体を強張らせた。
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