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気を取り直したように陸は姿勢を正し、千波が渡した履歴書をおもむろに開いてサッとそれを一読した。
「江崎 千波…さん」
「はい」
「うちではお手伝いさんのことは皆名前で呼んでいるので、今からは千波さんと呼ばせていただきますね」
「あ、はい」
少しドキリとしながら、千波は頷いた。
履歴書を読み進めた陸は、あっと言って笑顔で顔を上げた。
「千波さん僕と同い年ですね」
「え、そうなんですか」
「はい。誕生日も近いですよ。僕は来月で27なので」
「本当ですか!?」
千波は再来月が誕生日だ。
(そっかぁ、同い年なんやぁ……)
同世代だろうなとは思っていたが、同い年と聞いて千波は陸に対して一気に親近感を覚えた。
その後、勤務体制や時給の話を簡単に説明され、陸との面談は終了した。
「詳しい仕事内容は初枝さん達から直接聞かれたほうがいいと思うので」
「はい」
「あとそれと、仕事中は着物を着ていただくんですが、着付けは初枝さんに教えてもらってください」
「あ、大丈夫です。私一人で着付けできます」
陸は驚いたように目を見張る。
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