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その女子は溌剌としていて、僕からしてみれば、すこし……すこしだけ、苦手という部類に入る女子だった。
制服を着ているにも関わらず、個がちゃんと確立しているように見える。
僕とは、正反対のような――……
まあつまりを言うなら。
明るい女子、なのである。
……いや、決して明るいとは限らないのだけれど。誰しも人には裏があるって言うし。
でも。
少なくとも、僕の目には、明るい女子だと見えたのだ。良く「どこを見てるのか分からない」と言われる、僕の、空の目には、溌剌な女子だと、映ったのだから。
「ひゃあ、難しそうな本だね」
……そして、ついでを言うなら、その言葉が、僕の本をいきなり……なんの前触れもなしに取り上げた、そんな明るい女子の呟きである。
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