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佐々木実夢
読書はもう、あきてしまった・・・。
水彩絵の具で描いたような
見事な青空にわたがしのような入道雲がぷかりと浮かんでいる。
ムワッとした蒸し暑さ。
不快な蝉の鳴き声はクラスメイトの話し声にかき消されている。
中一の七月頃はとくに興奮するのか、四月に比べてうるさくなった気がする。
生徒と同じ立場に立った気になっている担任が言うには、
今日、季節外れの転入生がくるらしい。
私的には、同じ世界の人間であることを希望する。
「な、佐々木さん、ウケるよね?」
は?中谷みづきさん?
私、あなたと話したこと、一度もないのだけど・・・なれなれしくない?
「うわっ!超無表情ね!!」
そりゃ、話聞いてないしね。
しかも、緑川さんまで・・・・・・あれ、下の名前、なんだっけ?
「佐々木・無心人物・実夢!きゃははははは!!」
…大して面白くないし、ネーミングセンスも悪いよ。
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