忘れ花 2

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出会いは、ふらっと立ち寄った土産物屋。 コーヒーを買った時に対応してくれたのが、千波だった。 その時は感じのいい店員だな、という程度の印象。 ただ店内に花を生けたのがその店員だと知り、今時古風な女性だなと、少しだけ興を引かれた。 けれど二回目は強烈だった。 逢魔が刻に妖しく暮れなずむ海岸で。 千波は一人、途方に暮れたように膝を抱えて座り込んでいた。 その時はまだ、その女性があの店員だとは気付かなくて。 淋しそうな、消え入りそうな儚い背中が何故か自分と重なり……。 気になって海岸へ降りたその瞬間だった。 今まで頼りなく座っていた女性が突如立ち上がり、持っていた花束を海に投げつけてあろうことか『バカヤロー』と叫んだのだ。 呆気に取られて立ちすくんでいると、気配に気付いた女性がハッとしたように自分を振り返り。 ………その時、初めてその女性が土産物屋の店員なのだと気が付いた。  
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