人並みと神速

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 まぁ、能力の解明はどうでもいい。ただ目に見えないレベルで速く動けるだけの魔術だ。 それより……なんでこの美幼女たんは突然襲いかかってきたんだ? 前後の言葉から考えると、どうせししょーがどれぐらい育ってるか確かめる為にけしかけたってところか。 不意打ちをしようとしてるようには見えなかったし、俺にだけ伝えてなかったんだろう。 「……掴、まれた?」  よっぽど自分の速さに自身があったのか、驚愕の表情を浮かべ……てはおらずに無表情でした。  まぁ俺がハニーを捕まえれたのは至極簡単、後ろに下がったからだ。 相手が突っ込んでくるのが速くとも、俺が同時に後ろに下がれば相対的に少しは遅くはなるし、何よりくる方向が限られる。 対処はさほど難しくはない。 ……尤も相手が馬鹿でなければ二度目は通じないが。  頭を掴むと言っても痛くなるような力では持っていなかったので簡単に抜け出された。 「……強い」  少し距離をとった我が嫁はそう呟いてから、再び姿を消す。 俺は消えた瞬間に路地裏に入り混んで、しゃがむ。  俺が路地裏のもっと奥に行っていると思ったであろうハニーは俺につまづいて転ける。 「……っと、大丈夫か?」  自分が転かしておいてなんだが、転ける直前に腕を掴んで支える。 「……ありがとう。……でも、次はいらない」  次があること前提かよ。 狭い路地裏、少女との距離は一m弱。  少女が自身の木刀を軽くふり降ろす。木刀が地面に刺さる……ではなく、地面があってもなくとも同じような軌跡を生み出す。 俺に当たれば豆腐のように切れることは確かだろう。
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