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「……当たったら、私の勝ち」
そう言ってもう一度降った木刀は地面にぶつかると弾かれる。
少女が俺の頭の上を一瞥してから腕が消える。
そして、振り上げていた俺の手の中に手がすっぽりと収まる。
「はい、俺の勝ちッスね。
ところで、ししょーからの頼みかなんかで戦ったの?」
「……うん」
やっぱりかよ……。まぁそんなに強い奴じゃないってか、魔法は強いけど本人は弱かったから良かったけど。
「……それで、シンスくんが……強かったら……シンスくんと、一緒に学校に、通えって……」
まぁ、俺が通うんなら、他の弟子も同じか。
「とりあえず、俺ん家くる?」
これから同じ学校に通うんだし、親交を深めるのは当然だろう。まぁたぶん小等部とかだろうからあまり会わないだろうけど、まぁ親交は深めるべきだ。下心はない。うん、ない。
バトって多少は移動したけれど、すぐに家に入る。
「ただいまー」
「……えっ、えーと……お邪魔します」
「あっ、シンス、ご飯出来てるから早く…………ってえええー……。
あんた……ついに……」
「ついにってなんだよ!!ついにって!!ってか、電話に手をかけるの止めろ!!」
少女を見て何かとんでもない勘違いをしてそうな母上の暴挙を力づくで電話を奪うことで阻止する。
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