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おどおどしていて可愛いナツキちゃんをガン見しながら飯を食べた後、自室に戻って明日旅立つための準備をする。
「ふむ、必要なものはなんだろうか……」
当然ながらベッドやタンスとかの家具の類いは持っていくことはできないし、服や歯ブラシなどの小物も嵩張るのであちらで買うのがベターだろう。
とりあえず、最低限必要なものはあちらでギルドの依頼を受けるための武器。
これは明日親父に言って、安物の剣とかでももらおう。
次に、いない間に母上に見られたら困るので、ここに置いとくわけにも行かないあうろり写真の本、七冊。いや、何冊か焼却処分するべきか……。
まぁそれはあとで考えよう。
十年ほど前にししょーからもらった「闇属性魔法陣図鑑」(3980G)と、「脳筋でも分かる魔法入門」(2980G)の二冊はししょーとの思い出の品だし、持って行きたいものだ。
他に必要なものは……特にないか。だいたいあっちでも買えるだろうし。
「……シンス君……なに、してるの?」
「うぉっ!?ナツキたん!?」
即座に聖書とナツキたんの間に入り込んでナツキたんに見られないようにする。
「あれだ、明日旅立つからさ。その準備ッス!」
「……本、多い、ね」
見られたのか!?聖書!!
いや、見られたなら普通はその話題に触れることはないだろう。つまり見ていない!間違いない!
「そ、そういえばさ、さっきの魔法なんだったんスか?」
おそらくししょーがこの少女、ナツキたんに授けた技術だと思うが、あそこまではやい魔法は何なのだろう。
まず、発動が早く、次に初速が速い。その二つによって見ているこっちからしたら瞬間移動とかその類のものにしか見えないぐらいだった。
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