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「……速力特化型身体強化魔術、私が師匠から……教えてもらった技術」
特化型魔術……ね。
普通の身体強化ならば硬さや重さや力までもが強化されるところを捨てて「速さのみ」を強化することによって速さを極端に強化したってことか……。
理屈はよく分からないが、まぁたぶんししょーとナツキたん以外が使ってくることはないだろうから、理屈を知る必要もないか、二人とも敵対することはないし。
「……シンス、くんの……あれ、は?」
「ん?あれって?」
「……私の手とか、頭とか、掴んで止めた……の」
「あー、あれな。魔法なんて使ってねーっスよ。普通に誰でも出来る体術スよ」
入門レベルの魔法すら使えない俺の魔法技術では、当然ながらナツキたんの瞬間移動に近いレベルの速さは止められない。
あれを止めたのは普通にただの体術とも言えないほど簡単なものだ。
「ナツキたんってさ、その速力特化型身体強化を使ってるときって、ほとんど見えてないだろ?
見えてたら途中で進路を切り替えたり出来るけど、俺が「ナツキたんの来るであろう場所」に手を置いてただけでそこに入ってきたし」
「……来るであろう場所……?」
「うん。例えば最後の一振りとか、明らかに俺の頭を見てから振ったッスよね?
あれじゃあ頭上から攻撃してくるのが丸わかりだったから、ナツキたんが攻撃を開始する瞬間よりも前にナツキたんの手がくる場所に手を置いて待ってただけなわけよ」
「……つまり…………未来予知?」
何故そうなった。いや、間違いではないけど、なんか未来予知って言い方だとすごい魔法っぽいじゃん。
「……それで、シンスくん、は……師匠に、何を教わったの?」
「学校の授業の予習」
「……?」
「いや、だから……学校でする場所の予習をししょーに習ったの」
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