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騎士さんに連れられて中に入ると、意外としょぼかった。
いや、しょぼくはないけど、なんか内装は質素で、一階は机と長椅子がいくつか、二階は板とカーテンのような物で区切りがされてる小部屋がいくつかあって、そこにしょぼい建て付けのベッドがある。
つまり比較的、ちっちゃい家のようなものである。マジぱねえ。
「……すごい」
「すごいな、こんなのが動くんスか」
さすがは国からの使い。これ税金結構かかってるんじゃね?
いや、トレントの木材は高いって言っても中流の一般の家にも使われたりする程度の値段だし、ぱっと見技術的にいいものが使われているわけでもないのでそこまででもないか。実際でかいだけだし。
「すごいだろ!これを運ぶ馬も魔物でな、馬力と大きさがものすごいんだ!
じゃあ私は操縦するのでゆっくりとしておいてくれ。あっ、やっぱり暇なら馬車の前で先導お願いできる?
人通り少ないが街中だと人とかいたら危ないし」
「おけっす」
野太刀以外の荷物を置いてから馬車から降りて、俺とナツキたん以外の人がいないことを確認してから騎士さんに伝える。
というか、ナツキたんもきたんだな。
一人で充分なのにな。まぁとことこ歩いてるところとか超ぷりちぃだから見れて嬉しいけど。
「そういや、昨日と違って普通の……じゃないな、こっちでよくある服着てるのな」
「……シンスくん、の……お母さんが……「その格好だと目立つでしょう?」って」
あー、なるほど、どーりで見たことあるやつだ。昔の姉ちゃんの奴か。だいぶ前に出て行ってから音沙汰無しだからうろ覚えだけど。
「にしてもかわいいなナツキたん。いや、あっちの服の方も捨てがたい……いや、あっちのがいいかも。あっちの方がかわいいけど、今のもかわいい」
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