雪解けの頃

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千波に自分の体重がかからないように、陸は軽く身を起こした。 陸の体が離れていってしまいそうで、千波は慌てて陸の背中に手を回す。 こたつから出た体に冷えた畳は冷たかったが、反して陸の体は熱くさえ感じる程だった。 (………陸様……あったかい……) 肌に触れる陸の全てが温かくて、千波は夢中で陸の体にしがみついた。 陸もそれに応えるように、千波の体を抱きしめ返す。 抱きしめると目の前に千波の耳があり、陸は今度はそこに口付けた。 「………ん……っ」 より一層千波の反応が大きくなり、それが可愛くて陸は何度もその行為を繰り返した。 ピクリ、ピクリと体が跳ね、千波の全身が熱にうかされたように痺れ始める。 (キスってこんなに……気持ち良かったっけ……) 肌を口づけていた陸が、時たま思い出したように唇を奪いにくる度、千波はそう思った。 いつまでもいつまでも、ずっとこうして唇を重ねていたいと思う程に……。 「………………!」 その時、陸の手が千波の体に触れてきた。 突然の行為に千波は一瞬体を強張らせる。 だがすぐに力を抜いて、陸の体に再び強くしがみついた。 「……………っ」 千波の体を這っていた陸の手が、上着の中へと滑り込んできた。 恥ずかしさで千波は思わず顔を横に背ける。 だが次の瞬間、陸はハッとしたようにその手を止め、ゆっくりと身を起こした。  
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