エピローグ

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「あ、あ、いや。いやね。今、見てた夢がさ、なんか次の小説のネタになりそうなくらい楽しかったんだんだけどさ、姫がちゅってしたから忘れちゃったんだよ」 「……。」 「え?」 「……ぷっ!あははは!何その姫って!」 「あ、だから……な、何だろ……?」 「さっきからマジ寝ぼけ?」 彼女が俺をぎゅうっと抱き締めた。「しょうがないなぁもう」そう言って、ほっぺにちゅ。「ほら、パパ。早く起きて?」 「あ、うん」 ふぎゃあほぎゃあほわあと、ベビーの泣き声がする。彼女は俺を置き去りにして、小走りにベビーのもとへ向かった。 夢も思い出せない。 なんだかふわふわした気分のまま、リビングに行くと、彼女は腕にベビーを抱いて授乳中。 ゆったりと、なんだか甘いような匂いが漂っている。 「あのね、思うんだけどね」 「うん?」 「私、あなたに会うために生まれてきたって」 「それは俺だって!」
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