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ばっちんと何かすごい衝撃に叩かれたような気がして、俺は彼女に駆け寄った。
「俺こそありがとうだよ!ほんと!生んでくれてありがとう!」
「はぁ?……アタシ、あなたのことは産んでないけど?」
「いや!だから!そうじゃなくて!」
彼女は、あははっと大きく笑った。「わかってるってば」
ベビーが俺を見た。黒目がちの瞳でまっすぐに俺の目を見た。
その時、さっきの、もう思い出せない夢の中で確かに聞いた声が蘇った。
生まれてくれて ありがとう
出会ってくれて ありがとう
待っててくれて ありがとう
って
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