第五部 哀しみとともに(最終話)

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しかし後ろを見ると怨霊を切ったはずなのに、倒れていたのはモンペのおばあさんだった。 「人!?」 でも人を切ることはない。 住職は慌てて倒れた女性に駆け寄った。 「徳子さん!」 「徳子さん?」 徳子とは以前ここに来た時境内を掃除していた美女だ。 今目の前で倒れている女性は、似ても似つかぬおばあさんだ。 「徳子さんって、そんな顔でしたっけ?」 そう言われた住職は改めて顔をよく見た。 「うわ! 誰だ! この汚いババアは!」 ビックリした住職はおばあさんを突き放した。 『オイオイ。急に口が悪くなったぞ』 驚きすぎだろと法蓮はおかしかった。
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