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法蓮は両手で掴んだ金剛杖を正面に立てた。
初めて住職の顔から笑みが消えた。
「得意の居合い抜きで私を切るのですか?」
法蓮は淡々と答えた。
「このドスは私の霊力が込められている特別な刃で人間を切れません。妖怪、物の怪、心霊の類(たぐい)は切ることができる。人間に取り憑いたものまで含めて」
いうないなや法蓮はすばやく住職の前に移動した。
住職はその迫り来る速さについていけず、顔色は青ざめたが1ミリもそこから動けない。
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