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一人の僧侶が細い山道を歩いていた。
薄栗皮色の着物の上には着物のこすれを防止する黒い袖なし単(ひとえ)の笈摺(おいずる)。
首には輪袈裟。両手に手甲(てっこう)。
着物の下は白いズボン。
脛には白い脚絆(きゃはん、ゲートル)を巻いている。
頭に竹製の菅笠を被り、これにより顔が半分隠れている。
左手には金剛杖、右手には数珠。
そして荷物入れの“山谷袋(さんやぶくろ)”を腰に下げている。
完全に巡礼装束である。
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