掛け違い 2

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結局、陸は午前中に起きてくることはなく。 昼から千波は友美の買い物に付き合うことになり、帰ってきた時にはもう夕方の4時になっていた。 「ごめんなさいね、千波さん。結局半日仕事になってしもたわ」 「いえ、大丈夫です」 「一週間もの出張ともなると、色々物入りで。ほらあの人、普段自分では何にもせえへんから。全部こっちで準備してあげなあかんのよ」 買ってきたものを広げながら、友美は苦笑まじりに言った。 「まあ今回は陸さんが一緒やから、安心やけどね」 「………………」 陸の名が出て、千波は思わず黙り込む。 本当なら、ここで陸と会うのは今日が最後なのだから、もっと陸と接触したいと思うはずなのに。 今日一日顔を合わせないで済んでいることに、千波はどこかホッとしていた。 (………昨日のこと。……私から聞かんでも自分から話してくれるんやろか) 自分には、聞く権利はないと思っている。 できるなら、やましいことがないという証に陸のほうから話してほしい。 そして一刻も早く安心させてほしい。 そうすれば自分は、23日の夜まで待っていられる。 ………陸を信じて、待っていられる。  
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