摂氏100℃の微熱

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「ほんっまにあなた達って……周りをイライラさせる天才やわね」 吐き捨てるように言った後、みどりはキッと千波の顔を睨み上げた。 「私、言ったでしょう? キッパリとフラれたって」 「……………はい」 「なんて言ってフラれたと思う?」 「………………」 わからない、という風に首を横に振ると、みどりはその時のことを思い出したのか苦い表情になった。 「好きな人がおる……って言われたの」 「………………」 千波が言葉に窮していると、みどりはフン、と面白くなさそうに鼻を鳴らした。 千波を見て、意地悪げに笑う。 「悔しいから、誰かは教えてあげへんけどね」 「…………………」 「あなたやったら、それが誰かわかるでしょう?」 試すようなみどりの言葉に、千波の胸に何やら熱いものが込み上げてきた。 …………陸の、好きな人。 それが、自分だと。 自惚れてもいいのだろうか。   
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