摂氏100℃の微熱

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「こっちは前日からガラにもなくチョコレート手作りして、一世一代の告白したってのにあっさりフラれて。……ただでさえ打ちのめされてんのに、その好きな人が一番大事とか、ずっと守っていきたいとかノロケられてさ」 「………………」 「悔しくてちょっとぐらい困ればいい…って、思っちゃったんよね。……だから朝まで一緒にいてほしいって頼んだの」 陸がみどりにそんなことを言っていたとは思わず、千波は驚いて立ちすくんだ。 みどりはふっと虚空を見つめ、どこか遠い目になる。 「あの時は、私があんまり哀れで、同情してくれたんやと思った。……だから一晩中一緒にいてくれたんやって。……でも、違ったんよね」 「………………!」 千波はハッと顔を上げる。 陸があの時言った言葉が、不意に脳裏に蘇った。 ………みどりと一晩一緒にいたのは、みどりが可哀相だったとか、同情したからではない、と。 じゃあ何故かと問い詰めると、陸は口を噤んでしまったが……。 「ど……どうして、ですか?……どうして陸様は、みどりさんと朝まで一緒にいたんですか?」  
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