掛け違い 2

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「黙っていようとしたことは謝ります。……言う必要のないことだと思ったし、正直あなたには知られたくなかったのが本音です」 「………………」 「でも確かに、変な誤解をされる前に自分から話すべきでした。………すみません」 丁寧に頭を下げられ、千波は少しずつ興奮していた気持ちが冷めていくのを感じた。 それでも陸に対する猜疑心は、拭えはしなかったが。 陸は下げていた頭を上げてから、窺うように千波の顔を見つめた。 「みどりさんに、何を言われたんですか?」 「………別に、何も。……ただ昨日あったことを教えていただきました」 それを聞いた陸の顔に、苦い色が走る。 明らかに、みどりに対して怒りを覚えた様子だった。 「昨日あったこと…って。どんな話をされたんですか?……彼女は一体何を……」 「………………」 先程みどりが語ったことを、千波は始めから全てを頭に掘り起こした。   「バレンタインやからどうしても会いたくて……旦那様が酔ってるって嘘ついて呼び出した…って。……でも、きっぱりフラれて、チョコレートも受け取ってもらわれへんかった…って」 「………………」 「………でも、今夜だけは一緒にいてくださいって泣いて頼んだら……朝まで一緒にいてくれた……って」  
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