掛け違い 2

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「…………じゃあ、私は?」 薄く笑みを浮かべながら、千波は陸に問うた。 結ばれたあの日から、ずっと胸に燻っていた思い。 ………何故あなたは、私と寝たの?   「……………え?」 「あの夜私と一緒にいてくれたのは。……私が泣いて縋ったからですか?……みどりさんが同情じゃないんなら、私は何なんですか?」 「…………………」 言い終わると同時に、陸の顔色がみるみる変わっていった。 その目に、悲しみとも怒りともつかない色が過ぎる。 「………俺が、あなたを同情で抱いたと?」 「…………………」 「本気でそう、思っているんですか?」 初めて千波から目を逸らし、陸は悲しげにそう呟いた。 目を伏せ、持て余したように後頭部を掻きむしった陸を目にし、千波はハッと我に返る。 今自分が陸に投げ付けた数々の言葉を思い出し、千波は思わず両手で口を覆った。 (………私。……私、何問い詰めてんの?……彼女でもないのに、まるで彼氏の浮気を疑ってるみたいに……) 自覚した途端、カーッと千波の顔に血が上った。  
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