摂氏100℃の微熱 2

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「…………! 千波さん……!?」 ギョッとした陸は慌てて千波の目の前に屈み込む。 「大丈夫ですか?」 心配げに顔を覗き込まれ、千波はふらりと陸の顔を見上げた。 久々にこんなに近くで顔を見て、千波の目に大粒の涙が盛り上がった。 「………なんで……」 「…………え?」 「なんでいきなりプロポーズなんですか~~」 気の抜けたような千波の声を耳にし、全く予想外の反応を返された陸は目を丸くした。 思わず砂の上に正座になる。 「あ、いや、その、もちろんすぐに結婚という訳ではなくてですね。……その……結婚を視野に入れてお付き合いしていただけたら、と。……そういう意味のプロポーズで……」 「………………」 千波はジッと涙の溜まった目で陸の顔に見入る。 嬉しさよりも驚きのほうが大きくて、まだこれは夢なのではないかと疑っている自分がいた。 「………ずっと。……ずっと待ってました」 「…………………」 「プロポーズじゃなくて、好きっていう言葉を」 ハッと陸は目を見張る。 「好きって全然言ってくれへんかったから、私ずっと不安やったんです」 「────言いましたよ。一度だけ」 ボソッと呟いた陸の言葉に、千波は驚きグッと身を乗り出した。 「嘘っ! いつですか!?」 「………え。……いつ…って……」 途端に陸は顔を真っ赤にし、口元を押さえて千波から目を逸らしてしまった。 千波はキョトンと首を傾げる。  
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