摂氏100℃の微熱 2

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陸の顔がまともに見られず、千波はクルッと陸に背を向ける。 三日で島に帰ってくるというのに、いきなり東京に連れていってくれと懇願され、陸もさぞ面食らっただろう。 (嫌ーーっ! 恥ずかしすぎるっ!! これは恥ずかしすぎるっ!! 穴があったら入りたいっ! ほんで一生その穴で暮らす!) 「……………ふっ」 陸に背を向けたまま頭を抱えて悶絶していると。 背後からくっくっ、と陸の笑い声が聞こえてきた。 「…………………」 両頬を押さえたまま、千波はおそるおそる陸を振り返る。 すると陸は堪えきれないというように口元を押さえてクスクスと笑っていた。 それを視界に捉えた千波の顔に、再びカッと熱が走った。 「…………ホンットに、千波さんには敵わないな」 ようやく笑いを収め、陸はふっと息をつきながら体勢を元に戻した。 そうして真っ直ぐに千波を見つめる。 「今日はちゃんと俺から言おうと思ってたのに、先越されちゃいましたね」 恥ずかしさでずっと俯いていた千波は、陸の言葉を聞いて弾かれたように顔を上げた。  
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