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終戦の報が、私達の耳に届いたのは、昭和20年8月15日の夕方でございました・・・。
私達『内蒙古軍 歩兵第118師団 師団司令部野戦病院 川村分遣隊』は、内蒙古防衛の『張家口』付近の小さな集落におりました。
その小さな集落で、私達は医療活動を一週間前から行っておりました・・・・。
「八原婦長・・・今夜中に荷物を纏めなさい・・・後方へ移動する。」
私達の上司である川村軍医中尉は、処置中の私にそうおっしゃいました。
私は、つい・・・差し出がましく申し上げました。
「戦争はどうなっているんでしょう?
畏れ多くも『天皇陛下』の玉音放送がおありになったそうですが、まだ戦いが続いております。
私達がここを離れたら、負傷した兵隊さんや開拓団の皆様はどうなるのでしょうか・・・。
私達は、ここへ止まるべきではないでしょうか。」
私は、一緒に医療活動の従事して参りました、3人の従軍看護婦を代表して申しました。
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