夢違いの獏の札

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「コーヒーにドリーマーを入れただけよ。  だから、眠りに落ちた」 「なんでそんなこと!!」 「言ったでしょう?  あなたが救世主になれるか、試すって」 「試すって、どうやって!」 倒れたグラスを片付けて、テーブルの上に一枚の紙が置かれた。 「なんだよ、これ」 長方形の縦長の紙には、熊のようなイノシシのような動物の絵が書かれている。 この奇妙な動物の絵がなんだってんだ? イライラしながら田中さんを睨みつけた。 もちろん動じることもなく、彼女は淡々と話を進めていく。 「これはね、獏よ。  悪夢を喰らう架空の動物の獏  夢違いの獏の札」
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