夢違いの獏の札

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「あの、意味わかんないんすけど」 ここは素直に聞いたほうが早い。 いつも説明してくれる太一は寝てしまってるし 「ドリーマーホリックの患者の夢に、拓未くんが入り込むのよ」 「はぁ....」 聞いてもわかんなかった。 「ま、やってみればわかるわ。  そのために鈴木くんには夢を見てもらってるんだし」 寝ている太一を肩に担いで、奥のほうへと歩いていく。 いくら太一が細身でも、女性が1人で担いでくなんて しかも、説明してくれればいいのに有無を言わさず眠らせて、こっちを動揺させる。 ブツブツ独り言を言いながら、仕方なく後をついていく。 「ねぇ、独り言のつもりでしょうけど聞こえてるわよ」 キッと睨まれて、体が縮こまった。
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