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あと少しで、さっき頼んだ赤ワインのボトルが空になる。
次はどうしようかな、そんなことを思いながらワインリストに手を伸ばそうとした瞬間、神谷さんが口を開いた。
「他の案件は、どう?」
「えっ?」
「まだバタバタしてるのかな、と思って」
「そうですね、少し落ち着きました。今日、こんな風に飲みに出れるくらいには」
「はは、そっか。それは良かった」
目尻を下げる神谷さんを見ると、胸がきゅうっと鳴る。
そんなに優しく微笑まれたら、どうしていいかわからない。
ああもう、どうしてこの人、こんなに素敵なんだろう。
……何とかならないかな、この乙女思考。
そんな風に思っていたら、さらに神谷さんが言葉を続けた。
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