【第8話】仕事の波と誤解と和解

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  「……あの」 「ん?」 自分でも、何を言い出すかわからない。 それくらい、とっ散らかった思考のまま、私は口を開いた。 「……また、誘ってくれる、んですか……?」 「え? そのつもりだけど……ダメかな?」 「や、ダメなんて……! そんな、だって、それは、神谷さんの方、でしょ……?」 「はっ?」 ぽかん、口を開けて固まった神谷さん。 当然だ。 何言ってんだ、私。 けれどもう、いまの状況も全てを整理してから話せるほど、私は冷静ではいられなかった。 ぐるぐる回る疑問や思考は、一度声に出してしまったせいで、ぽろぽろとこぼれ落ちてしまう。 .
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