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「それにしても」
「?」
残りのワインを注ぎ終えた神谷さんが、意地悪な顔をした。
その雰囲気が長瀬のものと一瞬かぶって、慌てて打ち消す。
…このタイミングでなんであの悪魔を思い出すのよ、私のバカ!
心の中で自分を叱咤していた私に、神谷さんは続ける。
「メールも来なかった、と言う割には…羽村さんから誘ってもらったことは、ないんだけどな」
「あ…!」
そう来るとは、思っていなかった。
受け身だったのは、私も同じだ。
神谷さんの悪戯な視線が、私に絡み付く。
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