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「違うよ。触りたくなったから、触っただけ」
「っ……!」
何、それ。
体の芯が、熱い。
赤面どころじゃない。
体中の血液が、沸騰しそうだ。
勝手に意識してしまっていることを悟られたくなくて、顔を上げられなかった。
それをどう解釈したのか、神谷さんは優しく手を滑らせるのを止めない。
しばらくそれを楽しんでいたようだったが、突然、ハッとしたようにその手が離れた。
「なんか……変態っぽかった、かな?」
「い、いえっ……!」
慌てて否定するが、まだ顔は上げられない。
自分でも今どんな顔をしているのか、把握できなかったからだ。
察してくれているのかはわからないが、神谷さんは「さ、飲み直そうかな」と言って新しいワインを注文してくれた。
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