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そんな訳で今俺は雅志に数学を教えている。
雅志の奴これで良く大学に受かったと逆に感心する程あたまが悪い…勿論数学に関してだけでも無い。
呆れを通り越し有る意味尊敬までしてしまう。御陰様で教える方は1から10まで懇切丁寧に説明しなければならない…
全く嫌になってくる…
「あ~全然分からん。」
分かんないのはお前の頭の構造だよ。人の噂話を覚える前に公式の一つでも覚えれ。
「焦ってもしゃ~ないしゆっくりやるべ。」
「はぁ…ごもっともで。」
それから何時間も掛けなんとか試験範囲の問題を終わらせた頃には完全に日が落ちていた…
「悪いな…こんな時間まで付き合わせて…。」
完全に数字に頭をやられちまったらしく生気が感じられなくなった雅志が言った。
「まぁ気にすんな。」
「お前さぁ………」
「ん?」
「やっぱ良いや。」
「何だよ、気になるから言えって。」
…嘘だか一様言っておく。
「何でもね~つっの。風呂借りるからっ。」
逃げる様に雅志は風呂に行き、俺は携帯の受信ボックスを見る。そして例の女達からのメールに返信した。
雅志はその後普段通りのテンションに戻り、適当に話をして寝た。
さっきは全く気にも停めていなかった雅志の話を思い出しながら俺も眠りについた。
…雅志は何を話そうとしたのだろうか…………
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