序章 ー 仮面から見える世界

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 暑い…夏は嫌いだ… 俺は学校の奴らと別れバイトに向かっている。 夏の日差しは容赦なく俺と、何の味気も無いアスファルトの地面を焼いている…。 ジリジリと…。  大学に入学してからもう1年以上経ったが、毎日同じ様な繰り返し… 単調な日々… そんな学校生活にも、生徒達にも嫌気がさしていた。 勿論このバイトにもだ。 バイトの有る日は大抵学校が終われば殺風景なこの道を通り、途中に有るコンビニで弁当を買い職場で食べる。 そっからは好きでも無い客商売だ。 ここで得た物なんて給料と、上手く愛想笑いする方法だけだ。  6時間の労働が終わり。また、コンビニで弁当を買う。 狭いアパートに辿り着く頃にはもう11時。 新着メールが3件。 どれも遊びで付き合ってる女達… 全てに愛想良く、そして事務的に返信する。 こんな女達だって役にたつ。暇潰しには持ってこいだ。
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