第二章 ー 仮面の始まり 一節 ― アスファルト

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月曜の午前の講義、科目は経済倫理。 講師は坂山。 週初めからこいつの講義は堪える。 周りの生徒は講義など聞かずに、寝てるか、隣の奴と話をしている。 俺はというと隣に座った雅志の話に相槌を打っている。 話の内容はクラスの奴らの噂話やらだ。 興味は全く無い。だが一様、 「へ~アイツそんな事になってんの。」 なんて言ってやる。 そしたら嬉そうに他の話を自慢気にしてくる。 それには、愛想笑いをして頷く。 他の講義の時も大体こんなもんだ。  「昼、学食で食うべ?」 「あぁ。学食だよ。」 講義が終わるとすかさず雅志が聞いて来た。 学食ってのは学校に良くある食堂の事だ。 食堂と言えば聞こえが良いが、メニュー、味共にお粗末な物だ。 「敦ちょっと他の奴待つべ。」 いつもどうりの会話。 楽しそうに笑う雅史。 「おう。分かった。」 いつもどうりの俺の愛想笑い。 「今日敦バイト休みでしょ。」 やたらニヤニヤして雅志が言ってきた 「あぁ。そうだけどどうした。」 嫌な予感がする… 「泊まり行っても良い。」 ほら。案の定これだ。 勿論答えは、 「良いに決まってんじゃん。」 これ以外何が言える? 「しゃ~。じゃ今日行くから。」 ここで講義を終えた隆史達が集まりだし、別館に有る学食へと歩き出す。
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