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辺りを見渡すと、人が溢れかえっている。
ガヤガヤと五月蝿い訳はなく、静かに老人の声が響きわたる。
今日は、入学式だ。
長い長い話を聴き終えると、僕らは教室へと戻された。
教室内は、先ほどと打って変わり、ガヤガヤと五月蝿い。
まぁ、高校生なのだから、致し方ない。
暫くすると、担任の歌山 智..(カヤマ チヒロ)が、入ってきた。
入学式に合わせ買ったであろう背広は、真新しさが目立つ。
「えーと、知ってるかとおもうが、俺は歌山智だ。
お前達の担任だから、しっかり覚えとけなぁ」
教師らしからぬ喋り方で、つらつらとこれからの事を説明していく。
一通りの説明が終わった所で、自己紹介に入った。
僕の名前は、"秋原 脩..(アキハラ オサム)" 一番手だ。
「....秋原脩です。 宜しくお願いします。」
特に言わなければならないことは、ないので簡潔に名前だけにした。
先生は、呆れた様子をしたが、特に何もいわず、次を促した。
「ぁ、えと、良咲 花(イサキ ハナ)です。 うんと、んー甘いもの好きです。
宜しくお願いします。」
後ろに座って居たのは、女の子だったらしく、小さな声で一生懸命話していた。
声が小さいと言う声と、可愛いと言う声の二つがした。
僕の意見は、両方だな。
聴こえてきた、声は小さな鈴を連想させ、感じとれる雰囲気は、小動物の様な感じだ。
少し期待を込めて、振り返る。
始めて、恋に落ちる音を聴いた。
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