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「……なに……っ」
「嬉しいか? 神谷さんとの接点、増えて」
「っ……!」
ボッと、顔に火がついたみたいに感じた。
間違いなく私はいま、絶賛赤面中だ。
そんな私に愉快そうな長瀬がさらに詰め寄ってくる。
「金曜、仕事の後、どこにいた?」
「どこ、って……家に決まってるでしょ」
知られたくない。
その一心で、嘘を吐く。
動揺を見破られないように、長瀬の顔をまっすぐ見据えて。
けれど悪魔は、そんなことはお見通しだとでも言うかのように、口の端を持ち上げた。
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