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私の頭を開放した長瀬は、グラスを手に取ってぐっと中身を喉へ流し込んだ。
「ま、しばらく飲みにも行けてなかったしな。飲みたい気分だったんだよ」
「そっか、そーだよね」
「ああ」
頷いた長瀬に、私も同意する。
本当は、久しぶりのこの時間が、何だか心地よく感じていたから。
「……で」
「ん?」
「お前は金曜の夜、誰とどこにいたワケ?」
「っ!」
その話、まだ終わってなかったのか。
上手く誤摩化せたような気がしていたのは、やっぱり気のせいで。
追求を止めないという確固たる決意がその目に見える長瀬から、視線を泳がせる。
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