【第9話】隠し事ごとは、できません

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  私の頭を開放した長瀬は、グラスを手に取ってぐっと中身を喉へ流し込んだ。 「ま、しばらく飲みにも行けてなかったしな。飲みたい気分だったんだよ」 「そっか、そーだよね」 「ああ」 頷いた長瀬に、私も同意する。 本当は、久しぶりのこの時間が、何だか心地よく感じていたから。 「……で」 「ん?」 「お前は金曜の夜、誰とどこにいたワケ?」 「っ!」 その話、まだ終わってなかったのか。 上手く誤摩化せたような気がしていたのは、やっぱり気のせいで。 追求を止めないという確固たる決意がその目に見える長瀬から、視線を泳がせる。 .
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