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「ミオ」
「な、なによ……!?」
「本当は、どこに行ってた? 神谷さんと」
「っ……!」
息が、詰まる。
答えられない。
沈黙は同時に、その質問が的を射ていることを証明していると、わかっていても。
「だーから、嘘吐くなっつったのに……」
「な、どうして……」
どうして長瀬にそんな話まで全部しなきゃならないわけ?
そう言いたかったのに、胸がつかえて言葉が続かない。
ソファに沈む自分の体が、長瀬の絶対的有利を伝えていた。
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