【第9話】隠し事ごとは、できません

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  「ま、後で聞くとするか。今日はワインにするか?」 「えっ……今日、来るの?」 思わず出た拒否を匂わせる発言に、長瀬の顔が歪む。 せっかく綺麗な顔してるのにもったいない、と一瞬思った。 が、そんなこと気にしている場合ではないことは瞬時に悟った。 この顔は、まずい。 「……やっぱり何かあったんだな?」 「な、何もないって!」 「ま、どっちでもいいか」 にやり、笑った長瀬が私の耳元で囁いた。 .
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