【第9話】隠し事ごとは、できません

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  うわ言のように「恭」という名前を繰り返す私に、長瀬はひとつ、キスを落とした。 やさしくて柔らかい、とろけそうな、キスを。 唇が離れた瞬間、薄く開いた瞼の先に見えた長瀬の顔は、微笑んでいた。 「……ミオ」 信じられない程甘い声で囁かれた、私の名前は。 与え続けられた刺激よりも何よりも、私の心を揺らしていった。 .
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