【第9話】隠し事ごとは、できません

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  私の家に長瀬が来る時。 料理は私が準備して、お酒は長瀬が持ってくる、というのが暗黙の了解になっていた。 ここしばらく、忙しさの波にのまれてたし。 こんな風に過ごすこと、なかったなぁ。 我ながら上手く出来た料理を口にしながら、そんなことをぼんやりと思う。 私が忙しいということは、ほとんどの場合、イコールで長瀬も忙しいということ。 振り分けられている案件が違うとはいえ、抱えている量にあまり変わりはないからだ。 いや、ちょっとだけ、長瀬の方が多い、と思う。 そう考えると、この部屋で長瀬と過ごすのは久しぶりだ。 久々だという感覚はもちろんあるけれど、それ以上にそんな小さな溝を一切感じさせないくらい、長瀬はこの部屋に馴染んでいた。 そしてそれはつまり、私自身も長瀬がこの部屋にいることに、一切の違和感を抱かなくなっている、ということなんだけれど。 .
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