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放課後、いつものように教室の窓からグラウンドを眺めていた。
でも部活が始まって30分経ったのに、水島先生の姿が見えない。
どうしたんだろう。
なんて思いながら見ていると、
バタバタバタ……と廊下を走ってくる音が聴こえて、教室のドアがガラガラッと開いた。
「あれ? まだ残ってたんだ」
少し息を乱しながら入ってきたのはサッカー部のユニホームを着た長谷川くんで。
どうやら忘れ物を取りに来たらしい。
そのまままた窓の外へ視線を移すと長谷川くんが声をかけてきた。
「何見てんの?」
「えっ」
予想外の問いかけにどう答えたらいいのかわからず口を閉ざす。
だけどサッカー部を見ていた……ということを知られるのが恥ずかしくて
「長谷川くんってサッカー部だったんだ」
なんて、前から知っていたのに、今知ったような言い方で話してしまった。
そんなあたしに長谷川くんは
「失礼なやつ」
と言って、ふっ、と笑う。
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