2980人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ん……」
瞼越しに感じる、白い光。
気怠い体に少しだけ、力を込めて起き上がる。
不自然にあけられた、ベッドのスペース。
そして素肌に直接触れる布団の感触で、昨夜の記憶が少しずつ呼び戻されていく。
長瀬の熱を、そして長瀬の言葉を……
『ミオ』
やさしく囁く長瀬の腕の中で、私は必死に体に流れる熱と闘っていた。
私を激しく攻め立てる長瀬は時折、ぐっと顔を寄せて甘いキスを落とす。
熱に浮かされて朦朧としている私の意識を引き戻すかのように、その視線は強く。
まるで私の瞳の奥…隠したすべてを暴こうとしているみたいで。
今すぐにでも逃げ出したくなるのに、その視線に射抜かれたように逸らせない……そんな不思議な力を持っていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!