【第10話】約束と秘密の間

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  トイレには、先客がいた。 「あ、お疲れー」 「お疲れさまですぅ!」 振り返ったのは、にっこり笑った、ユリナちゃん。 私は首を左右に倒しながら、洗面台へと歩みを進めた。 じゃぶじゃぶ、手を洗う。 煮詰まっている時や気持ちを切り替えたい時に、私がいつもやる、リフレッシュ方法だ。 本当は顔とか洗ってやりたいんだけど、これだけでも結構スッキリする。 ふと、ユリナちゃんが顔を上げる。 「そうだ、澪先輩っ!」 「ん?」 目だけを合わせて返事をした。 何故かユリナちゃんは、満面の笑み。 .
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